小学校受験の行動観察とは?その対策と有名校の実例32


最近の小学校受験の試験内容の傾向として、いわゆるペーパー試験だけでなく、ノンペーパーでの「個別試験」や「グループでの行動観察」などといったものにも重きを置かれる学校が多くなりました。実際、小学校としてはこれらの試験によってお子さまの〝素の姿″がより分かりやすいのでしょう。

しかし、受験する側としては、いったい「行動観察」とはどんな試験なのか?そのための対策はどんなことをしたらいいのかなど、気になるところですね。

「うちの子はグループでの活動が苦手で・・」、「人見知りが激しいから・・」、「おしゃべりやけんかをしてしまったら・・」、と心配は尽きません。

そこで「行動観察」とは?対策のポイントは?受かるこの秘訣は?などを徹底調査してみました。

1.「行動観察」とは?

小学校の入学試験は、

ペーパー試験
行動観察
運動テスト
指示行動
口頭試問
絵画・工作
音楽
親子活動
面接
アンケート

などの中から行われ、その内容はさまざまです。

その中の「行動観察」は、

あるルールの中で、お子さまがどのように行動するかを観察する試験

となります。

仮に受験する学校が倍率5倍の学校でしたら、単純計算で5人中の1人に選ばれるような卓越した行動をとる必要があるわけです。

合格の切符を手にするためにはそれなりに「行動観察」という試験を熟知しなければなりません。

「行動観察」という試験は実際にはいくつかの形式があり、受験する学校がどの形式で行われるかによって多少対策の仕方が変わってきます。では主な3つの形式を次に解説します。

2.「行動観察」試験の形式

各学校によってその行われ方はさまざまですが、おおまかに次の3つに分類されるでしょう。

▼ 子どもたちで共同作業する形式
数人のグループで目標達成のために一緒に考え力を合わせて創作をする。

▼ チームに分かれ競争する形式
2つまたは複数のチームに分かれ、運動やゲームなどを競う。

▼ 先生などと一緒に活動する形式
先生の指示のもとに遊んだり歌ったりゲームをしたりする。時には在校生も加わる。

そして、実際に「行動観察」を行った場合、お子さまの行動パターンはいくつかのタイプに分かれます。自分のお子さんがどのタイプなのかを事前に把握すると対処策も明確になってきます。

次に「共同作業形式」での行動パターン例を挙げてみましょう。

3.お子さまの行動タイプ

1)先生の指示がよくわからず何もしない子

先生の指示が今までに経験した遊びやゲームの場合はお子さまも行動できると思いますが、必ずしもそういう指示とも限りません。

先生の指示がまったく初めてであった場合、きっとポカーンとしてしまうでしょう。今までの経験則から応用できる機転が必要となります。

2)指示はわかるが、とりあえず何もせずに傍観している子

いわゆる消極的で引っ込み思案なお子さまは、率先して行動を起こすことが苦手でしょう。ほかの子に追随してやろうと考えているか、そもそも行動を起こす気持ちが薄い子もいます。

そういうお子さまの場合、日頃からひとつの作品をみんなで造る達成感、熱い気持ちを経験して、小さなことでも完成の楽しみを味わっていく必要があるでしょう。

3)自分一人で勝手にどんどん進めてしまう子

先生の指示もわかり、行動力もあるのですが、みんなと共同してひとつの作品を作っていこうとしないお子さまです。

独りよがりで進めてしまうとひとつのまとまった作品ができません。周りと協力する協調性を養っていく必要があります。

4)みんなで一つのまとまった作品を作ろうと働きかける子

いわゆるリーダーシップ」があり、
みんなにひとつの大きな作品を作ろうと呼びかけ、みんなをまとめる力のあるお子さま
です。

このタイプのお子さまは先生の指示もよく理解し、どうやったらそれができるかもわかった上で、ほかのお友だちに上手に提案し統率する能力が養われています。

5)うまく動けない子に一緒にやろうと声かけする子 

上記のリーダーシップのある子と重複することもありますが、周りのお友だちに目配りができ、よく理解できていないお友だちに一緒にやろうと声かけできるお子さまです。

周りのお友だちに対し優しく思いやりのある声かけは一目に値します。

試験の形式によって発揮できる能力は異なりますが、みんなで楽しみながら目標を達成する姿勢が大切となります。

ここでは3)、4)のお子さまが合格に近いと言えるでしょう。

4.試験時に大切なポイント

こうして見ていくと、「行動観察」の試験時に外してはならないポイントは3つに集約できるでしょう。。

1)ルールを理解する
先生の指示をよく理解し、それに沿った行動ができることが第一前提となります。

2)楽しく取り組む
グループでお友だちと一緒に行動するので、協調性をもって和やかにお友だちと接する姿勢が求められます。

3)リーダーシップを発揮する
みんなで一つの作品を作る場合、それぞれのお友だちの意見をまとめ、ひとつの目標にみんなをリードする役目ができることも大切です。倍率の高い学校では特にこの能力が合格の決め手となるでしょう。

4)お友だちを思いやる気持ちを持つ
ほかのお友だちは一緒に楽しんでいるか目配りをできる余裕と優しさを示せることも和をもたらす貴重な要素として評価されます。

5.試験準備時に大切なポイント

では具体的に、「行動観察」の試験の準備としてどのようなことを心がけたらよいのでしょうか?

1)遊びやゲームなどのルールに慣れる
行動観察は先生の指示に沿った行動をとれることが大前提となりますから、初めてのルールでも臨機応変に対応できるようにいろいろな規則のゲームや遊びなどに慣れておきましょう。

2)知らないお友だちのいる環境に身を置く
試験当日は初めて会うお友だちとの共同作業となります。普段からできるだけそれに近い環境を多く経験して慣れておくことも必要ですね。

3)理想的な行動を考える習慣をもつ
グループで素晴らしい作品を作るためにはどのようにしたらいいか、みんなで協力し合うにはどうしたらいいのか、お友だちに何と声かけしたらいいかを常に考える習慣を心がけましょう。そういう思考が「リーダーシップ」を育て発揮することのできる決め手となります。

4)お友だちの気持ちを考える
そして、目標達成だけでなく、周りのお友だちはどう思っているのか、どう困っているのかを察し、声かけができる優しさも養いましょう。

5)基本的生活習慣を身につける
「行動観察」の試験の中では、「靴を脱いでそろえる」「手を洗ってポケットにあるハンカチで手を拭きしまう」「ポケットのティッシュを使う」「公共の場所では騒がない」「使った道具やおもちゃはきちんとしまう」など、基本的生活習慣を確認する場面が多々設定されることがあります。

日常の基本的な習慣は一朝一夕では身に付きません。日ごろからポケット付きの服を着てハンカチを使うなど気を配りましょう。

ではいよいよ実際に行われた「行動観察」の試験の内容を見ていきましょう。

6.有名校の「行動観察」実例32

下の実例は試験の一部で、同時にいくつかの「行動観察」の試験が行われる場合もあります。試験の内容は年度によって当然変わりますので、あくまでも参考としてご覧ください。

▼ 子どもたちで共同作業をする形式

 1)お茶の水女子大学附属小学校

グループでの共同作業と遊びをします。ボーリングや輪投げなどの遊びで足りないもの(ボールや輪など)をみんなで作ってから一緒に遊びます。

 2)東京学芸大学附属世田谷小学校

数人のグループで、お友だちと一緒に積み木を高く積んでいきます。遊ぶ前には靴を脱ぎます。(この時に靴をきちんと揃えることが大切です。)

 3)慶應義塾横浜初等部

「制作」の試験で各々造った制作物を持ち寄り、それを使ってグループで一緒に遊びます。   

 4)早稲田実業学校初等部

「おもちゃのチャチャチャ」の曲にグループ全員で振り付けを考えて踊ります。

 5)青山学院初等部

グループによって異なりますが、歌を歌うグループ、先生の通りに体操をしたりします。

 6)白百合学園小学校

グループで一緒に動物園の絵を描いていきます。

 7)暁星国際流山小学校

グループで一緒に自由遊びをしますが、ペットボトルの材料でボーリングをしたり、空き箱を利用して積み木をしたり工夫して遊びます。

 8)カリタス小学校

数人のグループで紙コップを所定の場所から持ってきて10段のピラミッドになるように積み上げます。紙コップを取に行く際に数の制限があり、ルールを守るようにします。

 9)国立学園小学校

グループで一緒に紙に描かれている積み木の通りに組み立てていきます。色についての指示も加わります。

 10)聖徳大学附属小学校

あらかじめ用意されている遊具を使ってグループのみんなで何を作るかを決めて作っていきます。

 11)洗足学園小学校

あらかじめ材料が用意されています(モールやアルミホイル、セロテープなど)。それらを使って「宝物の入った宝箱」をグループで一緒に共同制作します。

 12)星美学園小学校

 あらかじめ楽器が用意されています(太鼓、タンバリンなど)。それらを使用して童謡を演奏したり歌ったりします。

 13)西武学園文理小学校

 リズミックな児童曲に合わせてグループで一緒に自由ダンスをします。

▼ チームに分かれ競争する形式

 14)東京学芸大学附属大泉小学校

2つのグループが競争するゲーム→2名ずつ前へ進み、裏返しのカードを1枚ずつ取ります。同じ色だったら2枚とも箱に入れ、違う色だったらもとに戻して戻ります。早くカードがなくなったグループが勝ちというゲームをやります。

 15)慶應義塾幼稚舎

2つのチームに分かれ、ボールを使ったゲームをします。床に描かれたマス目に各チームのボールを一個ずつ順番に置いていきます。ビンゴ遊びのように先に一列にそろったチームが勝ちです。

 16)暁星小学校

数チームに分かれ、各自が紙飛行機を作ります。同じチームから代表者2名をじゃんけん以外の方法で決めて飛ばし、飛行距離を競います。

 17)東京都市大学付属小学校

「制作」の試験で作った自分のボールとつなぎ合わせたビニール袋を使い、できるだけ多くのボールを運ぶというゲームをします。

 18)精華小学校 

チームに分かれ、ドミノを並べていきます。合図で同時に倒していき、倒れたドミノが長いチームが勝ちとなります。

 19)明星小学校

チームに分かれ、パズルを完成させていきます。早く完成したチームが勝ちです。

 20)淑徳小学校

輪になって座り、シールの付いたペットボトルを音楽に合わせて回します。音楽が止まった時に持っている子はシールを2枚取って自分の名札に付けます。その両脇の子は1枚付けるというルールで何回かやります。一番シールの少ない子が勝ちです。

▼ 先生などと一緒に活動する形式

 21)東京学芸大学附属小金井小学校

 先生がタンバリンで音を鳴らします。その叩いた数だけのお友だちで手をつないでいく遊びをします。

 22)東京学芸大学附属竹早小学校

子どもと保護者が一緒に2枚の絵を使ってお話し作りの遊びをします。そのほか、子どもたちだけの自由遊びや玉入れゲームなどを行います。

 23)雙葉小学校

 グループで「レストランごっこ」遊びをします。先生がコックさん、子どもたちが他の役をしたりして遊びます。

 24)田園調布雙葉小学校

先生の指示に従って遊んでいきます。グループのお友だちで輪になります。中央には絵の描いたカードが置いてあります。まず好きなカードを取って色を塗ります。できたら今度は動物が描かれたうちわを取ります。そしてそれらを使ってみんなでお話を作っていきます。

 25)立教小学校

先生の通りに体操をしたり、踊ったりします。自由に踊るダンスでは音楽のテンポがだんだん速くなります。

 26)立教女学院小学校

グループで先生も加わり言葉のゲームをします。野菜の名前、動物の名前などを順番にひとつずつ言っていきます。

 27)学習院初等科

先生が行う動作を子どもたちが真似をします。水が入った重いバケツを持ったつもりで、それを頭に乗せてしゃがんだり立ったりする想像の動作をします。

 28)聖学院小学校

先生の指示の通りにゲームや遊びをします。まず体操着に着替えます。約束を聞いてその通りに行動するゲームなどをやります。自由遊びの後、再び元の服に着替えます。

 29)光塩女学院初等科

先生対子どもたちみんなでじゃんけんをして遊びます。勝った人だけが立つという指示、あいこの人だけが立つなどその都度ごとの指示に従います。そのほか、背の小さい順に並ぶという指示で子どもたちだけで並ぶなどします。

 30)桐朋学園小学校

先生の指示に従って遊びます。床に新聞紙が輪に並べてあります。その上に一人ずつ乗ります。真ん中にいる先生とみんなでじゃんけんをし、負けたお友だちは新聞紙を半分に折り、その上に乗ります。何回か繰り返し新聞紙の上に乗れなくなってしまった子は所定の場所に新聞紙を入れて、自分はまだ乗れそうなお友だちのところに行って入れてもらいます。

 31)日本女子大学附属豊明小学校

数名の在校生と一緒にお花屋さんごっこをします。まず在校生とじゃんけんをして所定のシールをもらいます。それらを使ってお花屋さんの看板を作ります。そしてお店の人になったりお客さんになったりして遊んでいきます。

 32)成蹊小学校

色の違うカスタネットが配られます。先生の指示通り、赤、青、赤、黄のカスタネットの順に叩いていきます。

おわりに

いかがでしたか?「行動観察」の試験内容が掴めてきましたね。

普段から基本的生活習慣を身に付け、楽しくいろいろなお友だちと遊んでいくことが大切だと、改めてわかってきたと思います。

どうぞお子さまの活き活きとした姿が試験で発揮できますように!

 

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